東京高等裁判所 昭和53年(く)354号 決定
およそ付審判の請求ないし裁判上の準起訴手続は、告訴等にかかる刑訴法二六二条一項所定の事件について、検察官の不当な不起訴処分を是正するためのものであるが、付審判請求の手続は、あくまで告訴人等の請求をまって開始されるのであり、また請求は、捜査機関に対してする告訴等と異なり、裁判所に対してしなければならない。したがって、告訴人等は、審判に付せらるべき事件の犯罪事実を証拠とともに請求書に記載して、裁判所に対し請求の意思と内容とを明示すべきであり、このことは付審判請求手続の重大性にかんがみても十分に理由があるものといえる。
したがって、刑訴規則一六九条が刑訴法二六二条の請求書について要求する「裁判所の審判に付せらるべき事件の犯罪事実」の記載は、請求書の記載要件であり、付審判請求の手続上、欠くべからざるものであって、この記載を欠く請求書に基づいた付審判の請求は、法令上の方式に違反し、不適法として許されないと解するのが相当である。
(岡村 小瀬 南)